株式投資に関する一考察

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さつき相続

令和6年度からNISA制度が拡充されることになりましたので、株式投資に関して個人的に気になるところをまとめてみました

目次

導入

株式投資(投資信託含む)については、皆さまもご存じのとおり、株価(時価)が高くなれば儲かり、低くなれば損をするもので、銀行の預金とは異なり、元本割れのリスクがあります。

日本では、このリスクを嫌う方が多く、株式投資を行われる方は少数で、財産に占める預金の比率が高い傾向にあると言われています。

他方で、諸外国では株式をはじめとする金融資産に投資を行い、資産運用を行うのは一般的でもあります。ただし、学校等でも投資に関する授業があり、まったく勉強せずに、またリスクを理解せずに投資を行っているわけではないことは申し添えておきます。

ここでは決して株式投資を推奨するものではなく、あくまでも個人的な一考察を述べるに過ぎないため、株式投資を行われる方は自己責任で行っていただきますよう、お願い致します。

投資信託

後述する個別株式は、例えばトヨタ自動車やソニーなどの個社の株式なので、イメージしやすいと思います。

他方、投資信託は複数の銘柄をワンパッケージにまとめた商品となります。

例えば日経平均や米国のS&P500などの指数に連動するような投資信託を自分で組成するとなると、数百の銘柄に投資を行う必要がありますが、投資信託だとそれらのワンパッケージを100円から購入可能です。

また、上記の指数連動型のほかに、特定のテーマ(SDGs、DXなど)や業種(IT、半導体など)、エリア(中国やインドなど)等がパッケージされているものもあります。

個人的に、投資信託を購入する際に気を付けないといけないと考えているのは以下の2点です。

インデックス型のほうが業績が良い

インデックス型とは、日経平均やS&P500などの株価指数に連動した成果を目指す投資信託です。

他のタイプとしては、例えばアクティブ型とバランス型があります。

インデックス型が市場の平均を目指すのに対して、アクティブ型は前述の特定のテーマ等に投資することにより市場の平均を上回るパフォーマンスを目指す投資信託です。

バランス型は株式だけではなく、債券やリートなどにも幅広く投資するタイプの投資信託です。

ここで、インデックス型は株価指数に連動した成果を目指すため、ファンドマネージャー等の管理者の恣意性が入りません。他方、インデックス型以外の2つはファンドマネージャー等の恣意性が入ります。

詳細な研究結果は他の専門家等に譲りますが、結論から申し上げると、一般論としてインデックス型がアクティブ型等よりも好業績を残しているという事実があります。

もちろん、テーマ等によっては一時的にアクティブ型がインデックス型を上回る時点もあるかと思いますが、長い目で見るとインデックス型に一日の長があるというのが投資家等の共通認識であると考えられます。

つまり、株式等の変動はファンドマネージャー等のプロフェッショナルでも先を見通すことは困難であることを表しています。

手数料は低いほど良い

投資信託は購入時や運用時、売却時に手数料がかかる場合があります。

金融機関などから営業される投資信託は、まず購入時に手数料がかかるものが多いと思いますが、インデックス型などでは購入時に手数料がかからない(ノーロード)タイプも増えてきています。

個別株式ではタイミングが良ければ、例えば10%、20%の運用成績を収められる場合もありますが、インデックス型などの投資信託ではそれほどの好成績を収めることはそもそも想定されておらず、2~5%程度のものが多いと思われます。

もし2~5%程度の運用成績を見込んでいる場合に、例えば購入時に2%、運用時に3%と手数料を支払っていれば、果たして利益は残るでしょうか。

国が拡充強化しようとしているNISAのうち、投資信託を想定した積立型では購入時の手数料はゼロ、運用時の手数料(信託報酬)も低いものを対象としているのは、国民の資産形成に資するのはそのようなタイプの投資信託だと考えている証拠でもあると思います。

個別株式

長らくの株価低迷、アメリカ等の世界の株式市場の好調を受けて、正直、日本の個別株式で資産形成を行うのは難しそうという先入観がありました。

しかし、最近、株式投資についても再度見直してみると、日本の錚々たる大企業でも配当利回りが3、4%あるものもあり、値上がり益だけではなく配当も加味するのであれば、個別株式への投資も検討に値するかもしれないと考えています。

※ 上記で、利回りだけを見ると定期預金の0.数%の利率と比べてはるかに高利回りに見えますが、株式は前述のように元本割れのリスクがあるのに対して、預金は基本的に元本割れのリスクがないので、株式のほうが有利とは断言できません。
これは、いわゆるファイナンス理論における資本コストにもあるように、株式はリスクを背負う分だけ利率が高くなるのはごく当たり前のことでもあります。

ただし、いわゆる高配当銘柄にも個人的に気を付けないといけないと考えていることがあります。

高配当の裏付けがあるか

証券会社のHPなどでは、その銘柄に関する配当利回り(配当金÷株価)などが表示されていて、すぐに確認できるケースが多いと思います。

ここで、配当にはいわゆる通常配当のほかに、例えば創業100周年を記念する特別な配当などがあります。上記で高配当と判断したにも拘らず、翌年からは通常配当に戻り、高配当とは言えなくなったという場合もありますので、注意が必要です。

また、高配当を出すには、当然ながら安定した好業績を残せる企業である必要があります。

業績が不安定で、今後も成長が見込めなさそうな銘柄については、当然ながら将来的に減配、無配へと転落するおそれがあり、減配、無配のアナウンスと同時に株価が下落することになると思われます。

あと、安定した増配を行おうと思うと、いわゆる配当性向(配当÷利益)がそれほど高くない方が良いと思われます。

例えば、100の利益に対して30の配当を出している企業の配当性向は30%となり、まだ配当余力があると考えられますが、100の利益に対して90の配当を出している企業の配当性向は90%にものぼり、今後の配当余力に乏しいことが見て取れると思います。配当性向90%の企業が増配していこうと思うと、剰余金(過去の利益の蓄積)を取り崩す可能性が高いことが想定されます。

ちなみに、配当を出している企業はある程度ビジネスが成熟化しているケースが多い傾向にあると思われます。スタートアップの企業やベンチャー企業などは、これから投資を行い会社を大きくしていかないといけないため、余剰資金は配当に回すよりも設備や人材に対する投資に回す傾向にあると思われます。

ある程度、分散できているか

これは高配当以前の問題かもしれませんが、個別株式は複数銘柄で分散された投資信託と比べて株価の変動幅が大きいです。

例えば、今まで安定した強さを見せていた東京電力の株価が2011年3月の東日本大震災をきっかけに暴落したのは、皆さまもご記憶のところかと思います。

3社に分散していれば暴落の影響は3分の1に、10社に分散していれば暴落の影響は10分の1になります。分散は銘柄だけではなく、業界も分散できているのが理想だと思います。

以上、一考察でした。

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