遺言制度の見直しについて

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さつき相続

遺言制度の見直しについて、主なところをざっくりと解説します

目次

遺言制度の見直し

成年後見制度と同じく、遺言制度についても民法等の一部を改正する法律が令和8年6月24日に公布され、公布から1年(システム改修を要するものは3年)を超えない範囲で政令で定める日に施行されることとなりました。

遺言制度の見直しについても成年後見制度の見直しと同じく、すぐに制度が変更されるわけではないことにご留意ください。

保管証書遺言の創設

自筆証書遺言は本人が手書きする必要があり負担が大きいこと、また自筆証書遺言制度を利用するためには本人が法務局に出頭して対面で手続きすることが必要でデジタル化に未対応であることが問題視されていました。

そこで、パソコン等を用いて作成した遺言のデータやプリントアウトしたものを法務局に提供し、本人が対面で、またはウェブ会議を利用して遺言の全文を口述するなどして、法務局が遺言を保管する制度(保管証書遺言)が創設されました。

なお、自筆証書遺言書保管制度と同じく、相続開始後の家庭裁判所における検認手続きが不要とされ、遺言の存在を遺言者が指定した者に通知することにより、相続登記等の遺言執行の円滑化が期待されます。

押印要件の見直し

自筆証書遺言には押印が必須で(公正証書遺言では押印要件は廃止)、押印がなければ原則としてその自筆証書遺言書は無効とされます。

この点、新型コロナウイルス等の影響で押印に関する慣行や法意識に変容が生じていることに鑑み、自筆証書遺言、秘密証書遺言、特別の方式の遺言における遺言者及び証人等の押印要件を廃止し、押印が任意とされました。

特別の方式の遺言の見直し

死亡危急時遺言

死亡時危急遺言とは、病気や事故などで死期が迫り、自筆証書や公正証書といった通常の方式で遺言書を作成することができない場合に、特別に認められる方式の遺言を言います。

死亡時危急遺言もデジタル化には未対応で、かつ、死亡の危急に迫った状態で証人3人以上の立会いを確保することが難しいという問題がありました。

そこで、死亡時危急遺言についてもパソコン等で作成したデータを遺言とすることが可能となりました。また、遺言作成状況を録画・録音することにより、証人1人以上の立会い(ウェブ会議の利用も可能)で遺言を作成することができるようになりました。

船舶遭難者遺言

船舶遭難者遺言とは、航海中の船舶が遭難して死亡の危険が迫り、自筆証書や公正証書といった通常の方式で遺言書を作成することができない場合に、特別に認められる方式の遺言を言います。

船舶遭難者遺言についてもデジタル化には未対応で、かつ船舶遭難の状況下で証人2人以上の立会いを確保することが難しいという問題がありました。

そこで、以下の2つの方式が追加されました。

・口頭で遺言する状況を録音・録画することにより、証人1人以上の立会い(ウェブ会議の利用も可能)で作成することが可能な方式

・口頭で遺言する状況を録音・録画し、特定の者にメール等で送信することにより、証人の立会いを不要とする方式

また、現代社会においては船舶遭難以外にも作成を認めるべき場面があると想定されており、大規模地震等の「天災その他避けることのできない事変」が発生した場合を追加することとされました。

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