自筆証書遺言書保管制度って何ですか?

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ご相談者

自分で作成した遺言書を法務局で預かってくれる制度ができたようなのですが・・・

さつき相続

自筆証書遺言書保管制度のことですね

目次

なぜ自筆証書遺言書保管制度が必要なのですか?

相続をめぐる紛争を防止するために、遺言書を作成される方が増えてきました。

自筆証書遺言は、遺言者本人のみで作成できるため、手軽で第一歩を踏み出しやすいものとなっています。他方で、相続人にその遺言書が発見されなかったり、また改ざんされるおそれがあります。

そこで、自筆証書遺言という柔軟性は残しつつも、上記のような問題点を解消する方法として、自筆証書遺言書保管制度が創設されました。

自筆証書遺言と公正証書遺言との違い

遺言と言うと、まずは公正証書遺言を勧められるケースが多いと思いますので、自筆証書遺言と公正証書遺言の違いを比較してみます。

自筆証書遺言
公正証書遺言
本制度利用なし本制度利用あり
作成方法・遺言者本人(15歳以上)が遺言書の全文(財産目録を除く)、日付及び氏名を自書さえできれば一人で作成することができます。
・証人は不要です。
・公証人関与の下、2名以上の証人が立ち会って行います。
・公証人は、遺言能力や遺言の内容の有効性確認、遺言内容の助言等を行います。
・遺言者が病気等で公証役場に出向けない場合、公証人が出張して作成できます。
保管方法・適宜の方法で保管します。・法務局(遺言書保管所)でお預かりし、厳重に保管します。・原本は公証役場において厳重に保管されます。
費用・不要・保管申請手数料は3,900円です。・財産の価額に応じた手数料がかかります。
家庭裁判所の検認・必要・不要・不要
死亡時の通知制度・なし・あり・なし
(出所:自筆証書遺言書保管制度のご案内(法務省民事局)より)

公正証書遺言は公証人に対する費用などがかかる一方、その遺言が法的に有効か否かを確認してもらえるため、確実に遺言を残したい場合には選択される場合が多いです。

他方で、自筆証書遺言(本制度利用なし)だと費用はかからないものの、前述の問題点に加えて遺言書が法的に無効とされる恐れが残ります。

この点、本制度を利用した自筆証書遺言だと両者の間を取ったような制度となっており、費用を抑えながらも一定の※法的な有効性を確保できます。

※保管された遺言書の有効性が保証されるわけではなく、外形的な確認(全文、日付及び氏名の自書、押印の有無等)に留まります。

自筆証書遺言書保管制度の特色

  • 自筆証書遺言書は法務局で保管されるため、遺言者本人または相続人による紛失のおそれが軽減されます。
  • 一定の費用はかかりますが、保管時に外形的な確認を行っていただけるため、遺言者が一人で作成するよりも遺言書が法的に無効となるリスクが軽減されます。
    なお、法務局では遺言書の作成に関するご相談には応じていただけませんので、ご注意ください。
  • 相続開始後に、相続人が遺言書の内容を確認できるように、証明書(遺言書が預けられているか否か)の交付や遺言書の閲覧が可能とされています。
  • 公正証書遺言と同じく、家庭裁判所での検認が不要となるため、相続人の手間が省けます。
  • 一定の場合、相続人に通知※がされるため、相続人に遺言書が発見されないというリスクが軽減されます。

※通知は、以下の2種類があります。

1.関係遺言書保管通知

相続人のうちの誰かが遺言書保管所において遺言書の閲覧をしたり、遺言書情報証明書の交付を受けた場合、その他の相続人全員に対して、遺言書が遺言書保管所に保管されている旨の通知が届きます。

2.死亡時通知

遺言者が予めこの通知を希望する対象者に対して、遺言書保管所において遺言者の死亡の事実が確認されたときに、遺言書が遺言書保管所に保管されている旨の通知が届きます。

せっかく遺言を残すのであれば、費用対効果も加味して、もっとも納得のいくものを選択していただければと思います。

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